感染対策の取組み

当院では院内感染リスクをできる限り除去するために「スタンダードプリコーション(標準感染予防策)」の理念に基づき入念に感染予防や衛生管理に取り組んでおります。ウイルスや細菌は目に見えるものではないので、感染しているかしていないか誰にも分かりません。
感染しているかどうかに関わらず、「すべての人が感染している可能性がある」という前提をもって、洗浄・消毒・乾燥・滅菌という衛生管理の工程に臨んでおります。

 

スタンダードプリコーションを実践するために

一言でスタンダードプリコーションと表現しても洗浄・消毒・滅菌とさまざまな工程が必要となるため、それぞれ専用の機器を使用しなければなりません。

 

・器具の洗浄、滅菌
超音波洗浄器で大まかな汚れを落とし、高圧熱水洗浄・消毒装置「ミーレジェットウォッシャー」の毎分400リットルの強力なジェット水流と93℃の高温で洗浄・消毒・乾燥を行います。そして、あらゆる種類や形状の器具を130℃の高温で滅菌する「クラスBオートクレーブリサ」を利用し、より入念な滅菌処理を行います。

ミーレジェットウォッシャー

クラスBオートクレーブリサ

 

・ユニット給水
近年、給水チューブを経由したバイオフィルム汚染に注目が集まっています。本来であれば水道水は塩素による殺菌能力を保持しているのですが、診療時間外に給水チューブ内の残留塩素濃度が低下し、細菌が急速に増殖することでバイオフィルムが形成されると考えられます。
当クリニックでは、中性電解水生成装置「ポセイドン」を設置しております。水道水に潜む細菌やウイルスを電気分解で殺菌し、給水チューブ内の除菌機能を維持することで、より衛生的に院内の給水環境を保つことができます。

中性電解水生成装置「ポセイドン」

 

・口腔外バキューム
歯科の治療では、必ずといっていいほど水を使用します。その際、水しぶきや削り取った歯の欠片など、目に見えないほど小さな飛散物が発生します。
多くの飛散物は口腔内で使用するバキュームで吸引しておりますが、一部は空気中に飛び散ってしまうことがあります。そこで歯科用吸引装置「口腔外バキューム アルテオF」を導入し、空気中の飛散物を吸引することで診察室の空気をクリーンに維持できるよう努めております。

口腔外バキューム

 

・空気清浄機
院内には治療中に発生する物質や、外部から出入りする方が院内に持ち込む有害物質など、目に見えないものが浮遊しています。医療専用空気浄化機「メディカルライトエアー」を設置することで、院内の空気をクリーンな状態で保持しております。ウイルス除去に着目した浄化システムを利用し、院内の患者さまだけでなく、歯科医師やスタッフも気兼ねなく過ごせるよう配慮しました。また、歯科医院特有のにおいもできる限り抑え、歯科医院が苦手な方にも気楽に通院していただくことが可能です。

メディカルライトエアー

 

消毒・滅菌の流れについて

消毒・殺菌・滅菌それぞれの違いはご存知でしょうか。
消毒とは細菌の活動を弱らせ、感染を予防できる程度まで数を減らすことです。
殺菌とは特定の細菌を死滅させることで、すべての菌が除去されていることではありません。
滅菌とはすべての菌を死滅させ除去することを示します。

 

①洗浄
超音波洗浄でおおよその汚れを落とした後、高圧熱水洗浄装置「ミーレジェットウォッシャー」を使用し強い水圧でたんぱく質の汚れを落とします。体液や血液などの有機物が残った状態で滅菌を行ってしまうと、たんぱく質が変質したり汚れがこびり付いてしまい滅菌の作用が低下し十分に処理されないため、滅菌前には入念な洗浄が欠かせません。

②消毒
「ミーレジェットウォッシャー」は洗浄だけでなく消毒装置としても機能します。
通常の低温洗浄に加えて、水温を93℃まで上昇させ高温で5分間の消毒処理を行います。低温では生き残ってしまう可能性があるウイルスや細菌を高温洗浄によって死滅させ、熱に強い菌も消毒することができます。

③乾燥
菌は湿度が高ければ高いほど急速に増殖します。それまで洗浄や消毒を入念に行っていても、器具に水滴が残っているとそこから菌が繁殖し、滅菌不良の原因となってしまいます。
「ミーレジェットウォッシャー」は高圧熱水洗浄・消毒に加え、ドライプラス(内蔵ドライヤーによる強制乾燥機能)や、エコドライ(余熱乾燥機能)による入念な乾燥を行うことで、水分による菌の増殖を予防することができます。
ミーレジェットウォッシャーの機能にはさまざまなものがありますが、当院では1台で洗浄・消毒・乾燥を行うことのできるものを導入しております。

 

④滅菌
すべての菌を死滅・除去する滅菌処理が最後の工程です。
当院では世界水準の中でもトップクラスの滅菌器「クラスB オートクレーブ リサ」を使用しております。この滅菌器は130℃の高温により、あらゆる形状の器具も高水準の滅菌処理をすることが可能です。個別に包装された滅菌パックの中の器具も滅菌処理を行うことができ、患者さまの前で開封するまで衛生的に保管されております。

 

その他 院内環境について

治療で使用するものの中には、洗浄や滅菌に不向きな製品もあります。
エプロンや紙コップ、グローブ、注射針はディスポーザブル(使い捨て)の製品を使用しております。毎回新品のものを患者さまごとにご利用いただけるようになっております。

 

患者さまに快適に過ごしていただきたいと思い、院内にはさまざまな工夫を施しております。
20台分の駐車場があり、駐車場から診療室に至るまでバリアフリー環境を整備しております。患者さま専用の車いすもご利用いただけます。診療室はゆったりとしたスペースを確保しており、ガラス張りの開放感のある空間で治療を受けていただくことができます。
また、待合室と治療室共に冬季は身体に優しい床暖房を導入しております。男女別のお手洗いは温水シャワー付きの洋式仕様で、こちらも車いす対応となっております。

 

ルール化した衛生管理システムによるクリーンな治療環境と、快適に過ごしていただくための設備をご用意しております。
より良い環境化での治療をご提供できるよう努めておりますので、気になることがございましたら遠慮なくお聞かせください。

 

お気軽にお問い合わせください。0885-33-2530受付時間 9:00-18:30 [ 木・日・祝日除く ]

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